連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・33
心の揺り籠,四季の変化―『ちいさな島』『みどりの目』
柳田 邦男
pp.330-331
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101185
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私が旅に出るのは,ほとんど講演か取材のためだ。そう書くと,何と味気ない“仕事人間”のように思われるかもしれない。だが,最近は,大人の心の再生のためにも,子どもの心の成長のためにも,絵本が新しい意味をもつようになっていることもあって,そのことを語るために各地に出かけることが多いので,草の根の活動をしているすばらしい人たちと親しくなる機会に恵まれる。その度に,《こんな地域でこんな活動をしている人たちがいるんだ》と感動するのだ。
今年は,新年早々から,宮崎市から車で1時間近くかかる山間部の木城町にある“木城えほんの郷”を訪ね,里山の斜面に設けられた個性豊かな絵本館を見学したり,長崎市立図書館のオープン記念講演に出かけた機会に,精力的に絵本の出版と普及に努めている長崎市内の出版社童話館を訪ねたりして,大いに刺激を受けた。
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