連載 助産院のごはん・13
杉山助産院―「おいしいね」「幸せだね」心の底からそう感じられる食事とは何かを伝えたい
畑中 郁名子
1
1山本助産院
pp.1,78-81
発行日 2011年1月25日
Published Date 2011/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101803
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周産期の女性は,耳だけではなく心や身体で他人の話に耳を傾け,感じ取る能力が備わっている。そう確信する院長の杉山道子さんは,生活の中での食事の大切さを折に触れて伝える。空腹を満たすだけの役割ではなく,作り手の“思い”も伝わるのが食事。だからこそ,食材や盛り付けはもちろん,作り手がどんな気持ちで調理するかも大切だと語る。78ページで,その理由を紹介する。
食事の大切さは押しつけずに提案するというスタンスで
1週間に2回,杉山助産院には近所の八百屋さんからダンボール1~2箱分の野菜がたっぷり届く。届けて終わりではない。馴染みのおかみさんが,いつ採れたもので,産地はどこか,どこでどんなふうに育てられた野菜なのかを,目に見えるようにていねいに説明してくれる。珍しい食材はおすすめの調理法の説明付きで,立ち話がつい長くなるのだと,院長の杉山道子さんは笑う。届いた野菜はどれもみずみずしく,新鮮そのものだ。
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