連載 月便り・12【最終回】
月に生かされて
志賀 勝
1
1月と太陽の暦制作室・〈月〉の会
pp.1196-1197
発行日 2008年12月25日
Published Date 2008/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101355
- 販売していません
- 文献概要
連載してきた月便りも最終回を迎えました。この連載を通じてお伝えしたかったことをひとことでまとめると,月はとてもポジティヴな存在ということでしょうか。もし月がなかったとしたら,その地球環境では生命体はとても耐えられないという有名な科学者の話がありますが,これは必要条件としての月を捉えた重要な側面。しかし,これだけだったらネガティヴな発想に留まってしまうでしょう。月があることを生きる条件として生命体は生きてきたのですから,月のリズムに積極的に乗ろうとすることで生はより充実したものになり得る,というポジティヴな発想こそ,現代の私たちには特に必要だと思われてならないのです。
社会は今ネガティヴな事象であふれかえっています。私たちの心身がそのネガティヴさに占められてしまったら,生命力や心は萎縮するばかり。月(や自然)に生かされている,という言い方は使い方によっては静態的で観想的な生命観にもなりかねないものですが,私の場合はもっぱらポジティヴな生命観。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.