連載 りれー随筆・288
自宅と助産院,2つのお産を振り返って
宮内 順子
pp.1194-1195
発行日 2008年12月25日
Published Date 2008/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101354
- 有料閲覧
- 文献概要
自宅(実家)出産
第一子の出産場所を自身の実家に決めたのは,神戸のある助産院で当直をしていた時,これこそ本来あるべき形だと感じられるお産に出会えたことが大きかったと思います。家族が見守るなかで静かに流れる時間,助産師のあたたかな声と雰囲気,痛みながらも幸せそうな笑顔の産婦。自由な体位で,内診もほとんどなく,医療介入も会陰保護さえない。「私もあんな自然なプロセスを大事にしたお産がしてみたい。産む母親の心身が健康であれば赤ちゃんは自分の力で出てくるのだ。健康であれば家でも産めるはず」そう思ったのです。
しかし,途中で課題も出てきて,お腹の張りは休息と冷え対策,貧血は食事,逆子は体操やつぼ押しでなんとか改善されました。もともと健康であっても,正常から逸脱しないための努力が必要であることを痛感しました。毎日散歩を1~2時間行ない,お産に対する不安も少なく,心も身体もいい状態で迎えられたと思います。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.