連載 月便り・5
「月は植物の主」
志賀 勝
1
1月と太陽の暦制作室・〈月〉の会
pp.478-479
発行日 2008年5月25日
Published Date 2008/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101232
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古代のインド思想には,月に関するユニークな寸言が多く見られ,忘れがたい印象を残します。ウパニシャッド哲学とか叙事詩『マハーバーラタ』に記されているもので,表題に掲げた「月は植物の主」もそうですし,ほかにも「月は星々の王」「月は再生族の王」といったものがあります。
先日,佐賀で福祉法人を運営している方が暦制作室に来られて,仕事にしているミカン作りについて面白い話を聞かせてくれました。作物に塩を与えるという意外な農法が知られていますが,この法人では新月直後の大潮の海水を汲み,それをミカンに与えている,という話でした。その結果,糖度の高い美味しいミカン作りに成功しているとのことで,その理由については大潮の海水にはミネラル分が多く含まれ,酸性度が高まっているからだろうと語っていました。
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