連載 チャレンジ!自立と責任・6
―社団法人・地域医療振興協会 横須賀市立うわまち病院(神奈川県・横須賀市)―「公設民営化」で吹き始めたフリースタイル出産の風
河合 蘭
pp.538-543
発行日 2008年6月25日
Published Date 2008/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101241
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公設民営化―すべてにリセットがかかった
神奈川県は首都圏であるにもかかわらず産科医不足が深刻化している地域だ。横須賀市でも,分娩件数の多かった病院がこの数年の間に相次いで産科を閉鎖してしまった。そして,この地の歴史と共に歩んできた国立病院が公設民営化されたときにも,その産科が一度窮地に陥っている。
黒船の来航地に近く,古くから海軍の町として栄えた横須賀に1891(明治24)年に設立された横須賀衛戌病院。この病院はその後,横須賀陸軍病院,国立横須賀病院と名称を変更しながら国の病院として歩んできたが,2002(平成14)年,横須賀市へ移譲された。その経営には,自治医大出身の医師が中心になって集まり「地域医療の確保と質の向上」を目的にかかげる(社)地域医療振興協会が当たることになった。公設民営化という形である。
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