日本列島
「公設民営」方式夜間急病センター—沖繩県,他
伊波 茂雄
pp.758
発行日 1973年11月15日
Published Date 1973/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204753
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沖繩県は医師や看護婦および医療施設が全国平均1/2のしかない.反面,国保等健保および老人医療費公費負担制度の適用以来,受診率は急増し,医療担当者は医療需要に対応できなくなってきた.特に人口30万人を擁する那覇市内では,那覇地区医師会(県医師会の下部組織で会員約200人)が従来自主的に実施してきた夜間当番医制に参加可能な会員が減少し,また,それに代るべき公的医療機関もない事から,夜間無医地区状態になる事が多くなり社会問題となった.そのため,県,市医師会及び那覇地区医師会四者では半年に近い日時をかけて種々対策を検討した結果,「公設民営」方式による急病センターを開設する事を計画,見事それが実現し,去る6月1日,30万市民いや全県民注視のうちにスタートした.県と那覇市が施設設備を整備し,那覇地区医師会がその運営を引受けるというものであるが,看護婦等職員はすべて県(大部分)と市が確保し,センターがパートで雇用,運営上の赤字分については県と市が負担するというものである.
施設設備は那覇病院(県立)の一部を整備して無料貸与し医師会から内科小児科,外科,産婦人科の4人の医師が夕方7時30分から翌朝8時まで勤務する.
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