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横須賀市は東京湾と相模湾を分かつように存在している三浦半島を横断し,両湾に面して位置しています。気候温暖,風光明媚な景勝の地です。日本武尊にまつわる走水伝説,鎌倉時代の三浦氏,戦国時代の北条早雲の三浦氏攻め,江戸時代初期の三浦按針ウィリアム・アダムスのお話などがありますが,何といいましても幕末1853年の米国ペリー艦隊の浦賀来航が近代日本の開幕を告げたことで有名といえます。フランスのヴェルニーと小栗上野介により着工した横須賀製鉄所が日本海軍の軍港の基となり,日本海海戦の勝利をもたらしたとのことで記念艦三笠の公園もあります。明治憲法の草案を起草した夏島(現在は日産),近代郵便制度の父前島密の墓もあり,現在の民営化案を考えると,歴史と感慨深さも感じられる土地でもあります。市制施行は明治40年で,市域面積100.60平方キロメートル,人口は約43万人です。米軍基地もあります。
当院は相模湾に臨み,茅ヶ崎方面から鎌倉を経由して続く湘南ラインともいえるルート134(通称:西海岸通り)沿いの東端に位置しています。昭和38年12月,横須賀市立武山病院として開設され(病床数40床),昭和46年5月に横須賀市立市民病院の名称になりました(病床数220床)。そして,昭和59年に増改築が行われ約500床の病院規模となりました。現在,MRI 2台,CT 3台,リニアック装置,ESWL(シーメンス・マルチライン)などと広い駐車場があります。当科は昭和46年より現日本大学教授滝本至得先生の御指導のもと始まり,現在に至っています。主な診療圏は横須賀市西部と三浦市,葉山町,逗子市などの三浦半島の西域で,背景人口は約15万人と想定されます。温暖なためか近隣には老人介護施設も多く,御高齢な患者様が多いのが特徴です。
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