連載 今月のニュース診断
中絶胎児廃棄,クローン胚容認,着床前診断容認―2004年夏のはじめに
斎藤 有紀子
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1北里大学医学部医学原論研究部門法哲学・生命倫理
pp.840-841
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100830
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- 文献概要
2004年7月,ひとの生命の始まりについて大きな事件や報道が相次いだ。それぞれ別の流れで起きたことでありながら,相互につながるテーマも内包している。記録に留める意味で記しておきたい。
胎児廃棄事件
最初のニュースは中絶胎児の廃棄問題であった。横浜市の伊勢佐木クリニックで,中絶胎児を一般ごみとして廃棄していたことが,元職員の証言によって明らかになったのである(朝日7月21日ほか)。12週以上の胎児の手足をハサミで切断して捨てていたというショッキングな内容は,報道番組やワイドショー,女性週刊誌も特集を組むほど大きな反響となった。
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