今月のニュース診断
性の自己決定と医療—性転換手術容認をめぐって
斎藤 有紀子
1
1明治大学法学部(法哲学・生命倫理)
pp.630-631
発行日 1997年8月25日
Published Date 1997/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901755
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「治療としての」性転換
97年5月,日本精神神経学会は「正当な医療行為としての性転換手術」を認め,診断・治療のガイドラインを公表した(5月25日読売新聞「性転換手術を容認:性同一性障害の治療に」)。今年中にも手術が実施されるといわれている。
ガイドラインによれば,性同一性障害とは「生物学的には完全に正常であり,しかも自分の肉体がどちらの性に所属しているかをはっきり認知していながら,その反面で,人格的には自分が別の性に属していると確信している状態」(日本精神神経学会・性同一性障害に関する特別委員会「性同一障害に関する答申と提言」平成9年5月)。
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