特集 「痰の吸引」を考える
家族以外の非医療職による「痰の吸引」の容認について―制度的な問題点と今後の課題
平林 勝政
1
1國學院大學法科大学院
pp.712-717
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100197
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ALS分科会報告書の広がり
今回の報告書までの流れ
今年3月10日の「在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律学的整理に関する研究会」報告書を受け,平成17年3月24日付厚生労働省医政局長通知「在宅におけるALS以外の療養患者・障害者に対するたんの吸引の取扱いについて」(医政発第0324006号)が発出され,ALS以外の患者に対しても家族以外の非医療職による痰の吸引が条件付きで容認されました。
これに至るまでの経緯は表1の通りですが,基本的な枠組みは,ALS患者を対象とした「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会」(ALS分科会)の報告書(2003年6月)を,そのまま維持したものです。したがって,ALS分科会での議論も踏まえながら,今回の報告書の制度論的な問題点について考えてみたいと思います。
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