連載 とらうべ
患者と医療者をつなぐ,ポジティブメッセージ
多和田 奈津子
1
1医事エッセイスト
pp.839
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100829
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- 文献概要
私の通う病院には,ひっそりと「目安箱」が置いてある。患者からのオピニオンを求めるボックスだ。しかし私はその「目安箱」に投函したことは一度もない。
16歳で甲状腺がんの摘出手術を受け,さらに9年後の25歳に悪性リンパ腫を発症した。若いうちに多重がんを体験したことを生かし,闘病記を書いた。小さい頃から多くの病院とかかわり,今は機会があれば患者の気持ちを発信しているのに,なぜ私は,一度も投函しなかったのだろう。理由を考えてみる。
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