徹底分析シリーズ 脳外科手術のControversies―1
貧血はどこまで容認すべきか?―あるいは,最終的なヘモグロビン値をいくつにして輸血を行うか
堀内 辰男
1
,
肥塚 史郎
1
,
齋藤 繁
1
Tatsuo HORIUCHI
1
,
Shiro KOIZUKA
1
,
Shigeru SAITO
1
1群馬大学医学部附属病院 麻酔科蘇生科
pp.518-520
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100667
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貧血は,周術期では脳・神経障害における独立したリスクファクターであることが示唆されている1)。一般に周術期の輸血に関しては,輸血のリスクと合併症予防効果を考慮した各種ガイドラインに従っていることが多い。それでは,脳外科手術時には,貧血はどこまで容認してよいのだろうか。結論から言うと,脳外科手術時のような脳損傷のリスクに対するヘモグロビンの許容最低値は確立していない1)。したがって,脳外科手術における輸血開始基準についてはいまだ議論が多いと考えられる。まずは,一般手術における輸血基準を参考にし,脳外科手術の輸血基準について考えてみる。
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