研究・調査・報告
女子高校生の性感染症の認識度と対策の方向性―エイズおよびクラミジア,淋病,性器ヘルペス,トリコモナスの分析より
宮﨑 文子
1
,
中山 晃志
2
,
今村 友子
3
1大分県立看護科学大学専門看護学講座母性看護学・助産学研究室
2大分県立看護科学大学人間科学講座健康情報科学研究室
3今村産婦人科医院
pp.645-651
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100787
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緒言
近年の10代の性意識の活発化は,無謀とも思える性行動の変化を引き起こしている現状がある。このような情勢変化に鑑み,平成12年,厚生労働省は21世紀初頭(2010年まで)に取り組むべき主要な4つの課題を設定し,母子保健の国民運動計画として「健やか親子21」を提言した1)。その具体的方策の1つに思春期の保健対策の強化と健康教育の推進,特に10代の人工妊娠中絶および性感染症の減少を目指すことが目標として掲げられている。
これらの影響を受けて,最近ますます医療関係者が行なう思春期の性教育への期待が高まっている。筆者らは中学・高校生に対する性教育を担当している者として効果的な対応を模索する中で,特に性感染症教育では,エイズ教育は,文部省が1992年より学校教育で実施を決定しているため徹底されているものの2),その他の性感染症は看護学生や大学生の調査3,4)から見てもほとんど徹底されていない実態があるとの認識をもった。
そこで今回,性感染症を中心に,女子高校生を対象に性の考え方や性感染症の認識度を把握し,今後の性教育の方向性を考える一助とするためにアンケート調査を実施した。得られた結果をここに報告し,これからの性教育の参考に供したい。
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