特集 ―なぜ,参加型なのか―助産に必要なファシリテーターの役割
児童虐待防止・非暴力ワークショップに参加して
①助産師の立場から―対話して,受けとめて,互いに高めあう関係をめざして
増永 啓子
1
1千葉大学医学部附属病院
pp.30-34
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100645
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はじめに
「ワークショップ」「参加型学習」「ファシリテーター」。自分にとって比較的馴染みのある言葉だと思っていた。グループ学習の中で,ファシリテーターのような役割で参加した勉強会もあった。しかし,今回「参加体験型学習」に実際に参加して,私の中のファシリテーター像はとても表面的なものだったと感じた。“のような”と書いたのは,今振り返るとそのグループ学習の中で与えられた役割を,果たしていただろうかと疑問符が浮かんだからである。しかし,自分で意識していないところでは,ファシリテーターとして存在している場面も思いあたる。ということは,私はファシリテーターの役割を本当の意味で理解できていなかったということだ。
これまで行なっていた妊婦を対象とした学級活動についても,とても楽しく充実した時間を過ごしたと思える時と,そうでない時があり,参加者の中に1人でも積極的に話してくれる方がいらっしゃると,こちらも話しがしやすい,などと参加者のキャラクターに依存している自分がいたりして,いままできちんと評価していなかった(避けていたところもあったことは否めない)。
今回PROP/ふくやまCAPスイミー主催の「非暴力ワークショップ・ファシリテーターの本質について」に2日間参加させていただいた。2日間のワークショップでの学び(この一言では語りきれないたくさんの感動,気持ちの揺れがあった)をすぐに形にするのは難しく,もっと自分で咀嚼していかなければならないと感じている。しかし,これを知識としてとどめておくのではなく,今,助産師としてどう活かしていくか,何ができるかについて考えていきたい。
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