連載 “医療安全力”を育むリスクアセスメントトレーニング・Training 6
インシデントレポートから学ぶリスクアセスメント
斉藤 奈緒美
1
,
石川 雅彦
1
1公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
pp.978-983
発行日 2014年10月25日
Published Date 2014/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200019
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事例の再発・未然防止のための“現状評価”
臨床および看護基礎教育の現場において,インシデント・アクシデントの再発防止・未然防止は重大な課題である。インシデント・アクシデントの再発防止・未然防止の取り組みの第一歩は,自施設で発生しているインシデント・アクシデント事例の“現状評価”を実施することである。
臨床では,2002(平成14)年10月から特定機能病院,臨床研修病院,一般病院,有床診療所に義務化された院内安全管理体制の整備として,(1)安全管理のための指針の整備,(2)安全管理委員会の設置,(3)院内報告制度の整備,(4)安全に関する職員研修の実施,などが挙げられている。2007(平成19年)4月には,無床診療所等にも,(2)の安全管理委員会の設置を除く,(1)安全管理のための指針の整備,(3)院内報告制度の整備,(4)安全に関する職員研修の実施,が義務化されている。無床診療所も含むすべての医療機関において,「(3)院内報告制度の整備」が求められ,各医療機関ではすでにインシデント・アクシデント事例の報告体制が整備されていることと思われる。
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