特集 「対話」がひらくリスクを超えた関係
[座談会]「対話」から探る新たな信頼関係
飯田 俊彦
1
,
稲葉 一人
2
,
中西 淑美
3
,
福井 トシ子
4
1済生会宇都宮病院産婦人科
2科学技術文明研究所
3九州大学大学院法学府
4杏林大学医学部付属病院総合周産期母子医療センター
pp.474-481
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100536
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福井 医療をめぐって提起される訴訟は年々増加している状況です。特に周産期領域は常にその上位を占めているわけですが,今日は,このような場で働いている私たち助産師が,今後,こうしたリスクについて,何を,どう考えていくべきなのか,考えてみたいと思います。それでは早速ですが,ご参加いただきました皆様の自己紹介から座談会を始めさせていただきたいと思います。
稲葉 私は現在,三菱化学のシンク・タンクである科学技術文明研究所の特別研究員をしておりますが,もともとは裁判所で判事をしていました。司法の場で私がもっとも大きくかかわった事件は医療訴訟や公害事件でした。医療に関連する刑事訴訟を受け持ったこともあります。ですから,医療上の問題についての意識はいつもどこかにありました。
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