特集 保健婦の地区活動を再考する—地区とはなにか
[座談会]保健婦と地区の関係を考える
茅山 加奈江
1
,
石毛 久美子
2
,
若杉 里実
3
,
増田 佳世
4
,
小林 啓子
5
1石川県南加賀保健所
2光町保健福祉課
3愛知県立看護大学
4静岡県伊豆健康福祉センター
5東京都多摩川保健所
pp.630-641
発行日 1999年8月10日
Published Date 1999/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902020
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茅山 今日は,「保健婦と地区との関係を考える」ということで集まっていただきました。保健婦にとって地区というのは切っても切れないものです1つの地区を受け持ち地区の課題を把握整理し,そのときにいかに住民と一緒に活動していくか。この問題把握から活動へという一連の流れの中で,必ず地区との関係があります。しかし現場では,目の前にある業務に追われて地区が見えないという悩みも多く聞かれます。
私はいま南加賀保健所におりますが,管内には人口5千から10万の7市町村があります。ある町は保健婦が3人しかいないのですが,業務分担が主で,同じフロアにいるのに町全体の問題についてほとんど話し合うこともなく,母子や老人の健診に追われて自分がどこを向いて走っているのかわからないという話を最近聞きました。そういう中で保健婦と地区の関係が生まれてくるんだろうか,もっと意識しないと地区との関係性は出てこないんじゃないかと思うのです。今日はみなさんからご意見をいただきながら,ただ業務をこなすのではなくて,いかに意識的に動けば地区が見えるのか,どう動かなければいけないのか整理できればと思っています。よろしくお願いいたします。
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