特集 日本の助産師づくり―最高の助産ケア提供のための教育を
世界の助産教育
加納 尚美
1
1茨城県立医療大学看護学科
pp.35-40
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100448
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はじめに
現在私は,4年制大学で,母性看護学と助産学の両方を教育している。両方を教育しているとその相違がよくわかる。今わが国では助産学教育をどのように位置づけ,どこで行なうのか,ということに関して様々な意見が交わされている。大別すると以下のようになるかと思われる。
(1)看護基礎教育の後の位置づけ(現行の1年~専門大学院構想の2年間の教育)
(2)4年制看護系大学で,看護基礎教育の中で選択科目としての位置づけ(大学増加に伴い,増えつつある)
(3)看護基礎教育の後に卒後研修として位置づけ(1984年に日本看護協会総会で決議された案)
(4)ダイレクトエントリー(英国やニュージーランドで実施されているような看護学を基礎としない助産学のみのコース)
今,実際に行なわれている助産教育は(1)と(2)のタイプである。(3)と(4)は日本では実現していないが,両極端の議論となる。(3)では「助産師」という現行の国家資格は不要になるということだろうし,(4)では看護学課程を学ぶことなく助産学だけで助産師になるので,看護師とは別個の専門職ということになる。
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