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関連職種に対する考え方
リハビリテーションにおける医療体系にかかわりのある職種として「関連職種」をとり上げれば当然,医学的リハビリテーションにかぎっても,医師が含まれていないのは,この「関連職種」をこのようにかかわりあいのあるものと理解しないでAllied MedicalまたはPara-Medical Professionという言葉の翻訳として医師以外の職種とされたからであろう.そこでリハビリテーションは医師を含めてそれぞれの職務内容,義務,責任のちがう職種の人々によって総合的に行わなければならない事は重々理解された上で,医師以外の職種の人々を仮に「関連職種」と呼んで特集を企画されたと理解してこの問題について述べてみる.だから当然入るべき医師の問題は意識的に除外した.
さて最近のWHO Chronicle(Vol 30-3, 1976)に“The role of the Medical assistant”という論文が出ている.これは世界全体のその中にはまだ高度な密度の高い医療がまんべんなく行われていない現状をふまえ,これ等の格差を少しでもちぢめ,世界的視野にたって国民一人一人の健康を保持するためには少数の医師だけでは不十分で,また医師を急増することが不可能であるので,それにかわって手助けとなる人々の教育が当然考慮されねばならないとして,そのあり方についてのセミナーのまとめである.広大な中国,その8億の国民の健康増進・保持のためには当然裸足の医者(Barefoot doctor)の教育が必要であるし,ソ連における副医師(Feldscher)の活躍はすでによく知られている.わが国においても沖縄の占領時代から現在に到るまでなお医介補の働きがある.このような人々だけでなく岩村氏がネパールの結核対策についてツベルクリンを行いBCGを接種する人々の教育を行い,細い網の目のごとく彼等を全国に広げて効果を挙げられているし,わが国から何人かの種痘接種専門者が遠くアフリカで活躍しているのも事実である.このような意味での医師以外の職種は医師の不足から十分全国民に医療がほどこせない時,それを補い,手助けとなる一連の人々である.
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