特集 日本の助産師づくり―最高の助産ケア提供のための教育を
継続ケア事例実習の重要性
川島 広江
1
1川島助産院
pp.29-34
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100447
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はじめに
筆者は,昨年3月まで千葉大学医学部附属助産婦学校で助産師養成に携わっていた。しかし,同校は残念なことに2002年3月助産師養成44年の歴史に幕を閉じた。8年という短い期間であったが,筆者は,助産学生のより充実した知識・技術・態度の習得のために実習を大切にしてきた。特に継続ケア事例実習を重視した。妊婦さんと個別に継続的にかかわる実習を通じて,大いに感じたり考えたりする体験から,学生が常に自分自身と向き合い,対象者に寄り添うことを学ぶのに効果があると考えたからである。助産師に必要な能力の基盤ともいえる“態度”が,自分自身の中で変容する過程をみつめることもできると考えた。更に言えば,ひとりの生活者として自分自身を振り返ったり,対象者もまた生活者であると受け止められるだけの態度への変容は,継続してかかわってこそ得られるものと確信に近いものをもっていた。
本稿では,継続ケア事例実習の目標である,助産師に必要なさまざまな能力育成の中で,特に“態度”の変容成長に焦点を当てて述べたい。
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