教育技術ゼミ
世界に見る教育改革
沼野 一男
pp.60-61
発行日 1968年2月1日
Published Date 1968/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905977
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この一年間,教育技術ゼミの講座を担当してきたが,これまでは主として,授業ということに焦点をあてて,わたくしの考えを述べてきた。授業については,まだ考えなければならないことは多い。たとえば,前月号まで数回にわたって授業目標の決定ということを述べてきたが,授業目標の決定に続いて,すぐ問題になるのは,教案の作製や授業の展開をどうするかということである。また評価についても,これまでに述べてきた成功的な教育観からは,どういう評価が必要になるのかという問題がある。これらの問題については,わたくしなりに考えていることもあるし,また,わたくしには解決できていない問題も少くない。わたくしなりに解決のできている問題については,それを書いてみたいし,未解決の問題は読者と一緒に考えてゆきたいと思っているが,これは長くなるので,紙面が与えられれば4月から構想を新たにして書きはじめるつもりである。そして今月と来月は,授業の問題をはなれて,少し別の問題を見てみようと思う。1967年度の講座は,この二カ月で一応終るわけだから,少し視野を広くして,世界における教育改革の現状を眺めてみようと思うのである。現在世界の主要な国ぐにでは,例外なく教育の改善に異常な熱意と努力を示しているが,それらについて知っておくことは,間もなく新しい学年を迎えるわれわれが,授業の改善に対する一層の意欲を湧きたたせるのに役立つと思うからである。
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