連載 図解 助産師のためのフィジカルイグザミネーション・File.16
出生直後の新生児のフィジカルイグザミネーション
石川 紀子
1
,
加部 一彦
1
1愛育病院 新生児科
pp.732-736
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100388
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はじめに
陣痛発来から出生までの期間は,その後の長い人生を通じたなかでも最も生命の危険にさらされる時間帯であるという。この間,児はさまざまな段階を経て子宮内の環境から子宮外の環境へ,文字通り「胎児」から「新生児」へ,母体から独立し,自律した人間へと大きな変化を経験するのである。しかし,この複雑かつ巧妙にプログラムされている胎児から新生児への「適応過程」のどこか一部にちょっとした手違いが生じただけで,児には新生児仮死,低血糖,低体温などといったさまざまな問題が生じることとなる。それゆえに,児の出生に立ち会い,また,出生直後の新生児を受け持つ医療スタッフには,児の様子を注意深く観察することが求められていると言えよう。
本稿では,出生直後から24時間以内の正常新生児を診察・観察するフィジカルイグザミネーションについて解説する。
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