連載 図解 助産師のためのフィジカルイグザミネーション・File.13
産褥期のフィジカルイグザミネーション
神谷 整子
1
1みづき助産院
pp.434-438
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100112
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はじめに
女性の身体は分娩が終了すると同時に,妊娠前の状態に戻るべく全身に変化が見られますが,分娩経過が正常であれば大抵は生理的な変化として経過します。主な変化は,①全身の解剖・生理機能的変化,②子宮等生殖器の非妊時への回復,③分娩時産道にできた創傷の治癒で,分娩直後の数時間~産褥1日目は迅速に,産褥7日目位までは徐々に,そして6~8週間かけて緩やかに戻ります。
しかし,時には正常から逸脱し,異常へと変化することもあり,また,異常とまでは言えなくても不快症状として出現することもあります。いずれにしても産後の回復を妨げ,遅らせる原因となり,ひいては育児のスタートのつまづきになることもあるので,今さら言うまでもありませんが,正常に回復しているかどうかを見極めることは大切です。そこで日頃,正常な出産を援助する立場として行なっている主な産後の診察について述べてみたいと思います(図1)。
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