連載 図解 助産師のためのフィジカルイグザミネーション・File.12
分娩期のフィジカルイグザミネーション②
川野 裕子
1
1瀧澤助産院
pp.264-268
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100073
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産婦のフィジカルイグザミネーションの目的
●胎児心音聴取
(ドップラーの当て方,聞き方;図1)
胎児心音は,分娩監視装置による継続的モニタリングと超音波ドプラーなどによる間歇的聴診法がある。今回は陣痛測定と同じく,安全性が確認され,産婦のそばで継続的にケアしながら注意深い観察のもとで行なう間歇的聴診法について取り上げる。使用するのは,産婦がどのような体位であってもアプローチしやすい超音波ドプラーとする。
聴診のタイミングや頻度は,分娩進行や産婦と胎児の状態によって変えていく。経過に問題がなければ,分娩第1期には15~30分毎,第2期では毎回の子宮収縮後に聴取するという方法もあるが,筆者をはじめ助産院や自宅で,ローリスク産婦の分娩にかかわる助産師には,胎児心音聴取の前に胎児仮死を招かない助産ケアに努めている。産婦の姿勢を自由にしたり,継続的なサポートと産婦がリラックスできる環境下で,胎児心音以外の情報と共に経過を追っているので,実際の胎児心音聴取の頻度は,この限りではなく,そのときどきの胎児の状態を細かに確認する。
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