連載 図解 助産師のためのフィジカルイグザミネーション・File.9
電子スキャンによるフィジカルイグザミネーション(中編)
佐世 正勝
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1山口県立総合医療センター産婦人科
pp.1142-1147
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100346
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胎児の評価
●胎位・胎向・胎勢の診断
骨盤位分娩は新生児仮死を来す頻度が高く,帝王切開になることが多い。訴訟の増加や少子化により,この傾向はますます強まっている。このため健診時に胎位の異常を早期に発見し,逆子体操などの対応を講じることが重要となっている。また,胎児の評価を行なうためにも,胎児がどのような向きで子宮内に収まっているかを知り,子宮内での胎児の全体像をイメージすることが大切である(図1)。超音波診断装置を用いれば,胎児位置や向きを正確に診断することが可能である。日頃から臨床で使い慣れているレオポルド法で,胎児の位置に目安をつけることは役に立つかもしれない。超音波検査では,まず頭部を見つけ,頭部に連続した脊柱の検出を行なうと良い(図2)。
●胎児発育の診断:胎児の大きさ
胎児情報のうち,胎児の大きさに関する評価は重要である。子宮内胎児発育遅延から18トリソミーなどの胎児異常の発見につながることは,しばしば経験される。また,発育停止に伴う分娩時期の決定や巨大児に伴う難産を予測するうえでも重要である。
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