連載 今月のニュース診断
脳科学と教育の現在
加藤 秀一
1
1明治学院大学社会学部
pp.620-621
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100362
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脳と教育の現在
「脳」がブームである。その立役者の1人は川島隆太氏(東北大学未来科学技術共同研究センター教授)で,『脳を鍛える大人の計算ドリル』等の著書が人気の他,氏が監修した『脳力トレーナー』や『脳を鍛える大人のDSトレーニング』といったソフトウェアもヒットしている。「クオリア」という専門用語を一般に広めた茂木健一郎氏も,頻繁にマスメディアに登場して,脳科学の知見を語っている。
それだけではない。科学技術振興機構(JST)が2001年度に「脳科学と教育」プログラムを開始,2002年度には文科省「脳科学と教育」検討会が発足するなど,ここ数年,行政レベルで続々と脳科学研究推進のためのプロジェクトが立ち上げられているのだ。文科省はまた,「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会」を2004年末に立ち上げ,翌年10月に報告書を出した。
このように脳,より正確には脳科学が基礎科学の枠をはみだして,官民を問わず注目を集めている。
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