特集 海外を通して見る,日本の産科の医療安全
座談会 各国の報告から見えてきたもの
松岡 恵
1
,
谷津 裕子
2
,
戸田 律子
3
,
中田 かおり
4
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
2日本赤十字看護大学母性看護学・助産学
3JACE日本出産教育協会
4国立看護大学校助産学・生育看護学
pp.606-612
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100360
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担当国を調査して感じたこと
松岡 厚生労働科学研究費補助金の研究のなかで,「リスク管理を含めた諸外国の包括的産科管理のあり方に関する研究」を,私たちは2年間にわたって行なってきたわけですが,それぞれご担当された国と,そこから見えてきた日本との違いや,調査をして驚かれた点など,うかがいたいと思います。
谷津 私はフィンランドの周産期ケアシステムについて調査をしたのですが,フィンランドが実施している出産の中央集約化,つまり大きな病院にお産を集中させ,妊娠期と産褥期を日本でいう保健所のようなところで,保健師さんのような方が担当するシステムがどのように出てきたのかという歴史を知ると同時に,現状としてフィンランドが今抱えている課題を知りました。これは日本も今後オープンシステムやお産の集約化を目指すという報告書が出てきている現在,非常に参考になる点が多いと思いました。
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