特集 海外を通して見る,日本の産科の医療安全
各国からの報告
③ニュージーランド―苦情を生かすシステム作り
戸田 律子
1
1JACE日本出産教育協会
pp.586-592
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100357
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助産師はマタニティ・ケアの中心的担い手
ニュージーランドは,妊娠・出産のケアに助産師が大活躍することで知られている。今でこそ頼りがいのあるニュージーランドの助産師だが,1990年に法が改正されるまで助産師には開業権さえなかった。この十余年のめざましい発展を誰が想像できただろう。
助産師は女性からLMC(マタニティ・ケア担当責任者)として選ばれると,妊娠検査から産褥までずっと継続ケアを行なう(表)。その場合,医師の診断が必要かを決めるのも,検査のオーダーを出すのも助産師。もちろん会陰縫合や会陰切開もできるし,限られた種類ではあるが,薬の処方や点滴もできる。産科医や産科認定一般医もLMCになれるが,利用者に人気があるのはやっぱり助産師で,なんと7割以上のお産がLMCとしての助産師に任されているそうだ。
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