特集 海外を通して見る,日本の産科の医療安全
各国からの報告
②カナダ―ブリティッシュ・コロンビア州を中心に―自律した医療専門職としての苦情対応システム
中田 かおり
1
1国立看護大学校
pp.580-585
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100356
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はじめに
「人は間違うもの」1)という理解のもと,医療における「過ち」の発生リスク減少と,「過ち」を「事故」につなげないための努力が世界中でなされている。しかし,「過ち」は減少させることはできても完全には無くならないことがわかっている以上,「過ち」や「事故」あるいは,その可能性が疑われる事象が起こった場合の対応の整備は欠かせないものである。
カナダでは,医療専門職の苦情対応の手順が州法に基づいて定められている。本編では,カナダ,ブリティッシュ・コロンビア州と助産師業務管理機関で定められている苦情対応について検討する。そして,苦情に直面するリスクを減少するために必要な,助産師個人の基本的な姿勢について考える。まずは,カナダの周産期医療と助産師の概要から述べる。
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