連載 図解 助産師のためのフィジカルイグザミネーション・File.6
女性生殖器のフィジカルイグザミネーション(前編)
大石 時子
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1天使大学専門職大学院
pp.846-851
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100281
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はじめに
本稿では,女性生殖器の外診,内診,腟鏡診,スペキュラム診,双合診などを前・後編の2回に分けて扱います。この診察方法は思春期,成熟期,周産期,更年期,老年期のすべての女性に適応できる診察方法で,性感染症,性器癌などの異常を早期発見するために役立ちます。
しかし,周産期に最も活用される診察方法であるともいえましょう。双合診は超音波診断法を除けば,妊娠初期の経過を診断する重要な方法ですし,また腟鏡診は初期の妊娠兆候を捉えたり,妊娠中の感染症や破水の診断には不可欠です。また,この2つの診断法は産褥期の子宮復古の診断にも使われます。日本の助産業務のなかでは周産期の助産実践の自立と拡大のために役立てていただければと考えます。
女性生殖器の診察は,外陰部の視診から始められるべきであり,そのあと外診から内診へと説明されるのが通常ですが,本稿では,女性に最も負担がかからないような診察の流れを考え,腟鏡診から双合診そして外陰部の触診へと進む方法を説明します。そのため,外陰部の視診の説明は最後になっていますが,外部の視診はほかのことをする前か,しながら行なっていくのが実際的でしょう。
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