特集 ―現場の疑問に答えます!―アロマ実践のための「あれ」「これ」
アロマをどう使っていますか?
①杏林大学医学部付属病院総合周産期母子医療センター
高橋 久子
1,2
1日本アロマセラピー学会
2杏林大学医学部付属病院総合周産期母子医療センター
pp.696-700
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100252
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Q1 アロマセラピーを周産期領域の現場に導入したきっかけは何ですか ?
A アロマセラピーを周産期領域に導入したきっかけは,コミュニケーションのとりにくい妊婦とのかかわりからでした。私がプライマリ助産師としてかかわっていた妊婦は,入院中,常に緊張した面持ちで私たち医療者と会話していました。そのため,少しでも妊婦の緊張を軽減させ,妊婦が必要としている援助は何か把握するために,アロマセラピーを行なってみようと考えました。当時,私自身は“香り”に対して興味を持っており,独学でアロマセラピーを勉強していました。
担当産科医師および師長に相談したところ,私だけが行なうことと限定して,アロマセラピーの試行が認められました。早速,妊婦に相談したところアロマセラピーを受けてもよいとの返事をもらうことができました。翌日からアロマオイルを用いた下肢のトリートメント(マッサージ)を行ないながら,何気ない世間話から妊婦の話を聞いていきました。アロマセラピー施行2,3日後頃から,赤ちゃんや入院生活に対する妊婦自身の考えを話し始めてくれました。妊婦に担当医師に私たちの会話の内容を伝えてよいかと聞くと了承を得られたため,担当産科医師と情報を共有していきました。
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