連載 白い恋人たちへの応援歌[私の病院探訪記]・2
生死のはざまで働く看護婦さん—杏林大学医学部付属病院救命救急センター
向井 承子
pp.168-171
発行日 1992年2月1日
Published Date 1992/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900569
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前回は,ICUに入っていた時の私自身の記憶から書いた.
死の淵に立つ——.そんな大袈裟な表現がふさわしい体験だった.外見からは「意識がない」と思われたらしい物体のような私の内側に,苦痛への苛立ちや,悪あがきにも似た必死の状況判断や,家族への思い,折々の治療への感謝や憤りなど,表現を拒まれたままの意思や感情が入り乱れていたことを綴った.
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