特集 ―現場の疑問に答えます!―アロマ実践のための「あれ」「これ」
アロマをどう使っていますか?
②医療法人 向仁会 永井病院
永井 千穂
1
1日本アロマセラピー学会
pp.702-706
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100254
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Q1 アロマセラピーを周産期領域の現場に導入したきっかけは何ですか?
A 妊娠,出産は,女性にとって,家族全員にとって大きな喜びであり,人生に何度かのこの上ない喜びに満ちた一大イベントであるはずである。筆者自身そんな思いを持って産婦人科医師を志したにもかかわらず,大病院での分娩を目の当たりにして現実に直面した。陣痛なのだから痛いのは当然,我慢して当たり前,という考えが医療従事者の根底にあるのは否めず,‘がんばろう'と声をかけることのほか,実際に提供できるのは,せいぜい呼吸法の指導や腰をさする程度のことに限られる。
無痛分娩を選択しない限り,陣痛そのものをどうすることもできない。しかし,もう少し具体的に,妊産婦と同じ目線に立った分娩の精神的なサポートができないか。そう考えたのが,筆者がアロマセラピーを分娩に取り入れることができないかと考えたきっかけである。それは,かれこれ13年ほど前のことである。
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