特集 病院でできる,産婦にやさしい分娩体位
病院出産で自由な姿勢を阻むもの
島田 真理恵
1
1東京慈恵会医科大学医学部看護学科
pp.16-19
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100021
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
現在,「分娩経過中および分娩時に,産婦さんの好む自由な姿勢で過ごしてもらうのが母児にとってよい結果を生みだす」ことは,助産師共通の認識事項であると思います。また,国内文献のデータベースを用い,「分娩体位」というキーワードで検索を行なうと,1980年代後半くらいから現在まで,たくさんの資料がヒットすることからも,産科ケアに携わる者たちが産婦の希望する自由な体位での分娩に関心を向け,検討し続けていることがうかがわれます。
そして,最近では,助産院や個人病院だけでなく,大規模病院でも自由な姿勢で分娩することが可能になってきました。とはいってもそのような病院は,まだまだ少数であるのが実情です。そこで,本稿では,病院出産において自由な体位での分娩がなぜ浸透していかないか,その理由について考えていこうと思います。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.