連載 成果につながる保健指導 対象を読み解く病態理解とアセスメント・5
高血糖・糖尿病の保健指導
野口 緑
1
1大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学
pp.442-450
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664202107
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
糖尿病は増えているのか
糖尿病腎症による慢性人工透析者数の伸びが10年ほど前からやや鈍化し、近年は横ばいになっています1)。糖尿病等生活習慣病の予防を掲げた特定健診制度が始まった2008(平成20)年以降、全国の自治体や医療保険者において進められてきた健診受診率の向上に向けた積極的な取り組みと、高血糖者の受療勧奨や生活習慣改善の保健指導が、こうした結果に貢献している可能性があります。
しかし、糖尿病が強く疑われる割合は、2009(平成21)年以降減少傾向から微増に転じています(「令和元年国民健康栄養調査」2))。特定健診制度施行後の介入効果が減弱してきているとも考えられることから、今一度、血糖コントロールにつながる効果的な保健指導が必要になっています。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.