連載 時代が求める!保健師記録の仕組みづくり 記録を生かした人材育成と情報開示の捉え方・5
保健師記録の情報開示の基本—虐待の「加害者」による開示請求
菅原 京子
1,2
,
栁澤 尚代
1,3
,
清水 洋子
1,4
,
吉本 照子
1,5
1公衆衛生看護記録研究会
2山形県立保健医療大学
3弘前学院大学
4東京女子医科大学
5元 千葉大学
pp.608-616
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201699
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
児童虐待等の虐待事例の開示請求
筆者らは前回(本誌2021年4月号)1),「患者本人の同意が得られない精神科受診・入院」について,個人情報保護審査会の答申を踏まえ,保健師記録の情報開示の基本を検討した。今回は,精神科受診・入院と同じく,今日の保健師活動で直面し悩むことが多いであろう,児童虐待等の虐待事例について検討する。
周知の通り,児童虐待対応は制度改正や関係機関の体制強化などにより,充実が図られてきた。しかしながら,全国の児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数は増加を続けており2),深刻な児童虐待事件も後を絶たない。障害者虐待や高齢者虐待も社会全体で取り組むべき重要な課題となっている。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.