FOCUS
認知症家族介護者の認知行動療法START(家族のための戦略)プログラム:基礎編
藤澤 大介
1,2
,
色本 涼
2,3
,
田村 法子
2
,
石川 博康
4
,
田島 美幸
5
1慶應義塾大学医学部医療安全管理部
2慶應義塾大学医学部精神・神経科
3桜ケ丘記念病院精神科
4東京都立松沢病院看護部
5国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター
pp.148-152
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201123
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
認知症家族介護者の介護負担と心理状態
厚生労働省の認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)では,介護者支援を中心施策の1つに定め,心理的ケアも含めた包括的な支援が必要としている1)。認知症介護に携わる家族介護者(以下,家族介護者)は,認知症患者(以下,患者さん)の認知機能・生活機能低下への支援,Behavioral and Psychiatric Symptoms of Dementia(BPSD)への対応,患者さんの失われていく機能への悲哀,家族内の役割変化とそれをめぐる不和,家族介護者自身の余暇や社会的つながりの減少,などにより,心理・身体的に大きな負荷を経験する。
家族介護者の抑うつ・不安の有病率は30〜50%と報告されており2),家族介護者の心理状態の悪化は,虐待や,患者さんの施設入所の早まりと関係する3)。介護者への心理社会的支援によって施設入所を遅らせることができることも示されている4,5)。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.