調査報告
独居高齢者の健康と災害に対する備え
三宅 弘枝
1
,
中谷 久恵
2
1公立邑智病院
2広島大学大学院医歯薬保健学研究科
pp.896-902
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101983
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
■要旨
本研究の目的は,独居高齢者の健康実態と災害に対する備えを把握し,災害予防対策期の支援について明らかにすることである。調査対象者は,65歳以上の独居高齢者142名で,無記名自記式で任意の質問紙調査を行った。
調査内容は,健康実態や災害体験および災害に対する備えについてである。回収は132人(93%)で,欠損値のない118人(89.4%)を分析した。対象者の平均年齢は79.2±7.3歳で,手段的日常生活動作は9割以上が自立していたが,85.6%は受診していた。災害体験者は46.6%で,災害の種類は豪雨29.7%,台風16.1%,豪雪16.1%で,男女差はなかった。
災害に対する備えは90代がとくに低く(p<.01),性別では男性が女性に比べて高く(p<.001),災害体験者は非体験者に比べて高かった(p<.001)。災害体験者の意見を活かした健康教育や啓発活動は,災害予防対策期の予防活動に有効であることが示唆された。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.