特集 気管支喘息のガイドラインを実臨床に生かす―こんなときどうする?
トピックス
災害時への備え
堀野 智史
1
,
三浦 克志
1
HORINO Satoshi
1
,
MIURA Katsushi
1
1宮城県立こども病院アレルギー科
pp.818-820
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000176
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はじめに
わが国は地震活動が活発な国土をもち,気候では洪水や土砂災害をひき起こす短時間強雨の回数が年々増加しており,多くの自然災害により甚大な被害を被っている1)。災害時に気管支喘息患者は,粉塵への曝露,ストレス,治療の中断により急性増悪(発作)が起こりやすい状況になる。そのため,患者とその家族も自助として備えが必要であり,医療従事者も日常の診療のなかで災害への備えについて指導することが望まれる。小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2020では,第12章「日常管理」の一部に「災害時に備えて」の項目があり,災害時に有益な資料が解説されている2)。時間が限られた診療の場で災害への備えにまで言及することは時に難しいが,有事の際に患者が困難な状況に陥ることのないよう,患者や保護者に情報提供しておくことが望ましい。
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