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―『大槌町 保健師による全戸家庭訪問と被災地復興』―すべての保健師に捧げる実践の記録
森岡 幸子
1
1大阪府国民健康保険団体連合会
pp.647
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101925
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本書は,甚大な被害を受けた岩手県大槌町で活動した保健師の全身全霊のメッセージに端を発した実践の記録である。鈴木るり子氏(岩手県立看護短期大学,元大槌町保健師)の「被災者の健康状態の悪化,自殺が心配,津波で助かった人を避難所で命を落とさせてはいけない。そのために健康管理台帳を復活させる必要がある」,だから「全戸家庭訪問をしたい」「全戸家庭訪問すべき」とする判断と行動には,地域にはりついて住民の中で公衆衛生活動を実践してきた保健師の信念がある。これこそが保健師魂である。
鈴木氏に呼応して全国からボランティアで集結した保健師の多くは,保健師教育に携わる保健師や現場の保健師であった。彼,彼女らが部門の壁を越え,行政の壁を越え集結して全戸家庭訪問を行ったことの意義は大きい。
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