特集 広域・複合災害に備える―自治体の公衆衛生活動
被災地の医療支援と医療復興の課題
尾身 茂
1
1自治医科大学地域医療学センター公衆衛生学
pp.921-924
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102280
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はじめに
東日本大震災では,被災地の住民,市町村の職員,医療関係者,ボランティアなど多くの人の復旧・復興への献身を通し,日本人の持つ“忍耐強さ”,“公共心”などが再確認された.
しかし今回の震災を通して,医療供給体制や地域の関係性の脆弱性など,普段から存在していた課題がより顕在化したことも事実である.
筆者は,地域医療の向上を使命とする医科大学の教員として,わが国の地域医療の現場と接する機会が多い.さらに今回の震災では,卒業生を含めた大学関係者による被災地支援プログラムに直接関与した.こうした経験を基に,震災後の医療のあるべき姿,地域再生について私見を述べてみたい.
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