特集 老人保健事業第三次計画と老人訪問看護制度
[老人保健事業第三次計画への取り組み]
大腸がん検診の視点—精度管理に関わる保健婦活動
斎藤 博
1
1弘前大学第一内科
pp.800-804
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900579
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はじめに
わが国における大腸がん死亡率は,周知のとおり著しい増加を示しており,例えば1965年から1985年の20年間の大腸がん死亡者数は6600人から2万人と約3倍増加している。欧米では1960年代から大腸がん検診の研究が行われてきたが,わが国でも1980年頃から盛んに行われるようになった。
特に免疫便潜血検査の普及により,ここ数年間は,日本消化器集団検診学会の全国集計によると毎年,前年度の倍加の速度で検診規模が拡大している1)。これに伴い本年(1992年)4月から,行政検診としての大腸がん検診が開始されるに至っている。
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