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●編集後記を書いているこの時期はスギ花粉が飛び始め花粉症の人々がマスクをつけ,交互に訪れる春の陽気と冬の寒さのため風邪を引いている人もいる。本誌が発行になる頃は桜の花が咲き始めているだろう。春先恒例の人事異動の時期となるが,私たちの編集室は一足先に異動があり体制が変わることになった。本誌に長く関わったベテランの室長と,4年間引っ張り続けたスタッフが他の部署に異動することになり,ただ1人残される私は担当になってまだ4か月足らずの歳をとった新人。新しい仲間とともに,より良い誌面づくりを目指す……というと格好はいいが,楽屋裏は結構どたばたで,不安なことだらけである。
読者の周りでも人が入れ代わり,新しいスタッフが加わったりしているのではないだろうか。今回の特集は,保健師にとっての基本技=「相談対応」の技術を取り上げた。10の事例はそれぞれに行き詰まり,また失敗した事例だが,その失敗から学ぶことで,次の失敗を防ぎ,成功へ結びつければこの特集の価値はあるものとなります。読者の皆様からの感想をお待ちしています。(杉之尾)
●人事異動により,今号を持ちまして弊誌を離れることになりました。担当した4年の間,保健師を取り巻く環境は大きな変化がありました。平成の大合併,地域包括支援センターの設置,障害者自立支援法の施行,特定健診・特定保健指導の開始,etc…。そこで見てきたのは,制度に振り回され専門職としてのアイデンティティの確立に苦しみながらも,常に住民の幸せを優先に考え,奮闘する保健師の姿でした。編集者としてその姿をどう誌面で表現するか模索する日々でしたが,雑誌づくりの過程を通じて多くの保健師や研究者の方々と接点を持てたことは何よりの財産です。この場を借り,深く感謝申し上げます。
人は独りでは生きていけません。家族があり,地域があり,さまざまな組織の中で生きています。人と人が交わる中で,その“輪づくり”のために,保健師という専門職が今日も地域のどこかで奔走していることを忘れません。皆様の今後のご活躍を願うとともに,引き続き,弊誌へのご愛顧を宜しくお願い申し上げます。保健師の未来に幸アレ。(和田)
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