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●弊誌のような専門誌の編集の仕事は,アマチュアとしての編集担当者とプロフェッショナルとしての専門職者との合作と言えるでしょう。内容についてはアマチュアである私たち編集担当者が専門職のための雑誌作りのお手伝いをさせていただいているわけです。内容を十分に理解できていないとしても,それなりに担当する特集や連載には私たちも力が入ります。そしてそれらについて,思ってもいなかったようなことで誉められることがあるかと思えば,良いと思っていたものがあまり評価されないこともあります。弊誌のような月刊誌ではその結果が1か月ごとに出るわけです。
巻末に毎月お付けしている読者カードは,読者の方のご意見を書いていただくようになっています。特集や連載,その他の記事について,どのように感じたのか一言でもご意見を書いて投函していただけると,編集担当者としては嬉しいのですが,いかがでしょうか。どんな意見でも結構ですので,年間購読申込書の前に綴じ込まれたこの読者カードをご活用ください。Faxやメールもよろしく。
今月は読者カード活用のお願いになってしまいましたが,よろしくお願いします。m(_ _)m(杉之尾)
●連載『あの人の思い出カバン』が今号にて終了した。まだ企画が固まらない頃,著者の村中さんは「先輩保健師達が経験した個々の活動を“点”で繋ぎ,“面”として考え,次の世代に伝える必要がある」と私に言った。そのとき,「ベテラン保健師の実践知を次世代へ引き継ぐこと」を,誌面を通じて表現できないかと,連載企画が動き出した。やるからには,単なる人物紹介で完結したら面白くない。保健師としての生き様を通じ,今につなげるエッセンスを抽出させなくてはならない。「保健史」を通じて「保健師」のコアな部分を伝えることができるのか,正直,最初は不安だった。
それを可能にしたのは,類い稀な村中さんの筆力に他ならない。どこか旅情を漂わせる精緻な筆致は,見事に個々の実践をまとめ,全体に通低する事項を抽象化し,保健師の実践におけるナレッジに迫った。多忙の合間を縫ってのご執筆に,改めて御礼申し上げたい。
どの時代にあっても変わらない保健師の力がある。新しい時代の保健師が,連載を通じて少しでもそう感じていただけると嬉しく思う。読者の“思い出カバン”が,充実した保健師活動で溢れることを願いつつ。(和田)
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