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編集後記
和田
,
栗原
pp.390
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100979
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●いま,「下町」がアツイ(らしい)。書店に行くと,“下町散策マップ”の類いが多々見られます。都心では再開発が乱立している東京ですが,残された古き良きまちが日本人の心を捉えているようです。なかでも「谷根千」は専門誌が創刊されたほど人気の下町散歩コースの1つ。「谷中」「根津」「千駄木」の頭文字をとった谷根千ですが,歩いてみて驚くのは外国人が多いこと。古き良き日本を再評価しようという日本人と,日本を初めて知ろうという外国人観光客が交差するアンビバレントな異空間。観光地になれば,下町も下町でなくなくなってしまう悲運に,何ともいえない寂寞を覚えました。
谷根千からも近く,弊社がある「本郷」も下町の1つ。古くは,樋口一葉,宮沢賢治,石川啄木など文人が居を構え,明治時代からの老舗店が現在も存在します。通りや坂の名前に当時の名残があり,散歩してみると思わぬ発見に出会えます。
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