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編集後記
和田
,
栗原
pp.210
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100944
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●冬です。温泉の季節です。この時期,風光明媚な温泉郷を目指し,地方へ旅行する方も多いことでしょう。しかし,東京も捨てたものではありません。『東京銭湯お遍路MAP』(編集:草隆社)はなかなか面白い。各区の銭湯の場所が掲載されているのですが,「あんな所にあったのか!」と思わぬ発見に出会うこと請け合いです。源泉かけ流しの温泉に比べたら泉質は劣りますが,そこは侮るなかれ。東京にだって“いい湯”はあります。
上野池之端にある「六龍鉱泉」はそんな1つ。昭和6年開業。暖簾をくぐるとレトロな雰囲気満載。脱衣所に泉質などが書かれた試験検査書が飾ってあるのですが,その発行元は「東京市衛生試験所」。泉質は「炭酸水素塩冷鉱泉」という黒湯で,肌に優しい。湯船は2つあり,その1つの温度は何と48℃。熱すぎて3秒も入っていられないのですが,江戸っ子のオヤジは平然と浸かっています(まるで,「小僧,まだまだ若いな」と言わんばかりに…)。下町の銭湯魂を感じることのできる稀有な銭湯です。
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