連載 BOOKS
―シリーズ・ケアをひらく べてるの家の「当事者研究」べてるの家/著―苦しみへのケアから発想を切り替えるきっかけに
飯田 祥子
1
1長野県精神保健福祉センター
pp.672
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100753
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“三度の飯よりミーティング”などのキャッチフレーズで知られる「べてるの家」の活動は,それまで精神保健福祉に携わった経験が浅かった私にとって,「目からうろこ」な出会いであった。“障害者と共生する社会”“ノーマライゼーション”など,机上ではさまざまな言葉が飛び交う。しかしながら,地域保健活動のなかで,「病気になったことは運が悪かった」「病気になった人は支援すべき人」との思いが私にあったのが現実である。ところが,べてるの家との出会いによって,精神障害者への思いだけでなく,自分自身の弱い部分も「これでいいかも…」と発想を切り替えられるきっかけとなった。
そのべてるの家のメンバーが,当事者研究を始めたという。大変興味深いこの内容がこの度,書籍となってまとめられ,我々もその恩恵に与れることとなった。
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