当事者旅行記
発達障害をもつ当事者横道誠が浦河べてるの家を訪れた—《前編》当事者研究発祥の地、浦河べてるへ
横道 誠
1
1京都府立大学文学部
pp.168-173
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201260
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
無事に浦河へ?
2023年10月9日(月・祝)の早朝、私は京都から浦河に旅立った。朝ごはんは白米と炒り卵だった。とろとろ部分を残して仕上げた卵がすばらしい。
部屋の隅に置いてあるキャリーバッグに荷物を詰めていく。キャリーバッグはふだん、自宅で邪魔になりそうなものをたくさん詰めて、「片づけたことにしておく」家財として利用している。その邪魔なものをぜんぶ取りだして、服や下着や靴下を詰める。「北海道」というイメージから、京都よりだいぶ寒いだろうと想像して、真冬用の下着や服を多く入れる(実際には浦河は温暖で、少なくともこの時期は京都の気温とそれほど離れていなかったから、持っていった冬用の装備はいっさい使わずに戻ってくることになった)。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.