焦点2
べてるの家の〈当事者研究〉が専門家にもたらすもの
信田 さよ子
1
1原宿カウンセリングセンター所
pp.77-82
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900498
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■“苦しんでいる私”のことを書く
正直いって『精神看護』連載の〈当事者研究〉を,はじめて目にしたときの衝撃は忘れられない。それはどういったらいいのだろうか,口語体であらわせば,「え一っ!こんなことってあり?」「もう,困っちゃうじゃん!」という感じだ。
それから興奮気味に編集者に「ねえ,ねえ,当事者研究って大評判でしょ?」とたずねたら,「そうでもないんですよ…」と,これまた意外な返事が返ってきた。なぜこんな大それた連載に反響が少ないのか,この連載の意味がどうして汲み取られないのだろうか。そんな経験をたどって,私がなぜこの連載に衝撃を受けたかを書くことになったというわけだ。
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